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2025年7月25日
5分
検索がAI検索に置き換わる世界で、レビューはどう進化するのか

1. なぜレビューは「いつまでも」重要なのか
私たちは外食やホテル、商品を選ぶとき、何を考えるのでしょうか。
たとえば、飲食店を選ぶとき私たちはこんなことを考えています。
- 予算は合うか?
- 子連れ/ベビーカーでも大丈夫?騒がしくない?
- 予約の取りやすさ、提供スピード、混雑具合は?
- 写真映えする?デートに向いている?接待で恥をかかない?
ここで機能しているのがレビューです。レビューは「情報の非対称性(行くまで真実が分からない)」を埋め、損失回避を助ける“保険”のような役割を果たします。
だからこそ、検索がAI検索に置き換わったとしても「レビューの必要性」自体は消えません。
2. 検索はAIに置き換わりつつある
これまでは、予約 & レビューがセットになった大手プラットフォームを見て、そのまま予約するのが普通でした。
しかし今、AI検索で候補を出し、そのままお店の公式ページで予約するという流れが現れています。
- AIとの対話で比較し、ユーザーは検索せずリンクをほとんど踏まない
- プラットフォームの「閲覧数」が下がり、送客モデルの収益構造が揺らぎ始めている
では、この変化は「レビュー」に何をもたらすのでしょうか。
3. レビューの未来はどう変わるのか?
Q1. 「レビューを読むのがAI」になったら、何が起きる?
これまでの「星(1〜5)+自由記述」は、人間に分かりやすい最小単位でした。
しかしAIは、テキストを感情・要素別に解析し、タグ化・構造化できます。
例えば
- 「接客がとても丁寧」
- 「落ち着いた照明」
- 「記念日向き」
- 「コスパ重視の人には△」
- 「日本酒の品揃え◎」
などを項目別に数値化。
つまり、店舗ごとに評価軸が違っていても、AIは横並び比較が可能になります。
人間の画面表示の制約に縛られないため、多次元のスコアを扱えます。
この観点からすると、「一律の項目でレビューを集める」現在のプラットフォーム設計は古いのではないでしょうか。
- 事業者は自分たちの価値が正しく伝わる指標でレビューしてほしい。
- AIはその多様な指標をユーザーごとに最適化して提示できます。
結論:
「星と感想テキストだけ」ではなく、より多面的な指標が設定されたレビューを公開することが当たり前になる。
そしてAIはそれを前提にきめ細かい比較とパーソナライズを行うようになる。
Q2. 既存のレビュー/予約プラットフォームは持続可能か?
多くのプラットフォームは「送客モデル」(=トラフィックを集め、予約を送客して対価を得る)を前提にしています。
しかし、AI検索が間に入り、ユーザーと店舗が直接つながる導線が一般化すると、
- 検索エンジン経由のクリックは減少(=閲覧数前提のモデルが崩れる)
- 各社はAI検索向けにAPIを提供し、そこからの予約を拾いに行く動きを強めていますが、本質的な解決にはなりにくい
- なぜなら送客モデルの「価値の源泉」は集客にあり、予約システム自体はSaaSで安価に内製・導入できるためです
結果として、既存の送客プラットフォームの持続可能性は揺らいでいると言わざるを得ません。
一方で、レビューという資産の重要性はむしろ増しています。
AIは予約プラットフォーム上のレビューも含め、大量の情報を読み込んで判断します。
問題は、「誰が」「どうやって」信頼性を担保したレビューを集め、ビジネスとして成立させるのかということで、すでに新しい競争が始まっています。
Q3. OpenReviewが考える「レビューの未来」
OpenReviewは、
事業者が“測られたい指標”で多角的にレビューしてもらい、
公開したいレビューは公開し、非公開の弱みは改善に回す。
ことを実現します。
OpenReviewでは、こうしたレビューの形態を「レビューフォーム」と呼んでいます。
なぜ「レビューフォーム」をやるのか
AI検索の波を見て後追いで始めたのではありません。
OpenReviewを立ち上げる前に行っていた事業で多くの飲食店・レジャー施設の方々と話して分かったのは、 “レビューが怖い”という本音でした。
- 悪いレビューを受けた時に、実質できるのは「返信すること」だけ
- ビジネスを大きく左右する指標を、“自分に合っていない形”で測られ、公開され続けるのは健全ではない
これは、今では常識かもしれない。しかし、この常識はおかしいと思う。
だからこそOpenReviewは、
- 事業者に合った評価軸を設計し、
- 公開したい強みは最大限に公開し、
- 弱みは非公開で正しく向き合い、改善する
という、レビューを事業運営の武器に変える仕組みをつくります。
そして今、AI検索の一般化によって、この発想は現実的に実装できる段階に入ったと考えています。
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最終更新日: 2025年7月25日